赤い公園の夜の公園
昨年の津野米咲の突然の訃報がショックで、赤い公園の曲をしばらく聴いていなかったんですが、昨年11月に新曲のMVが公開されたのを機に再び聴くようになりました。
熱烈なファンという訳ではなかったですしライブにも行ったことはなかったのですが、ハロプロに提供した曲がどれも良かったことや、ボーカル脱退のニュースなどで気になって聴くようになりました。
新ボーカルが加入してからはまた新しい面が出てきて更に気になっている状態でした。
今回はそんな赤い公園の「夜の公園」という曲についてハロヲタ目線を交えての感想です。
初めて聴いたときに、イントロがモーニング娘。の「男友達」に似ていると思いました。(「男友達」についてはコチラの記事でも書いたので宜しければ。)
歌詞の内容も、男友達に彼女が出来そうで切なく感じる女の子の曲という点が共通しています。
どちらもめちゃくちゃ名曲だと思います。メロディーも歌詞もアレンジも全部が良い。
「男友達」は割りと叙事詩というか、説明的な歌詞で淡々としている分ラスサビ辺りでグッと切なさが込み上げる感じがあります。
一方で「夜の公園」は特にサビが叙情的で、主人公の女の子の頭の中で思っていることが中心な気がします。そこに様々な描写が加わって、情景がリアルに浮かぶような感じだなと思います。
"誰にも見せない部屋着からちゃんとした部屋着に着替えてる"とか、リアルで気持ちも読み取れるような凄い歌詞ですよね。
"「そんな子はやめちゃえ」って 言いかけて飲み込む缶のジュース"という部分は上手い表現だなと思いました。言葉を飲み込むということと、缶ジュースを飲むという行為が一つになって、言葉を押し殺すような動揺を隠すような行動になっているように読み取れます。
2番は更に切なさが加速していく感じがします。
"想いを伝える勇気を分けたら私の分だけが無くなった"とか、"近づきたいだけ壊したくない 並ぶブランコの距離のままでいい そう言い聞かせた夜の公園"とか切ないです…。
Cメロやラスサビを終えた最後の駄目押しの"私じゃ駄目ですか"がとても切ないですね。
さっきから切ないしか書いてないな…。
「男友達」と「夜の公園」の主人公の大きな違いというと、恋愛感情を自覚しているかどうかという部分だと思います。
「男友達」の主人公は自分の中の恋愛感情に気づいていなかったので、ラストフレーズが"涙が出てきちゃいそう なんだろう?さみしい感覚"ですもんね。
どちらの曲も物語性があって、「夜の公園」はリリックビデオにページ番号みたいなものが表示されていて、物語性の部分を強く打ち出しているんだろうと感じました。
赤い公園は楽器隊がテクいというか、独特なフレーズを演奏する、アレンジが斬新という印象があります。
この曲にもそう感じた点がいくつもあります。
ボーカルにディレイが掛かっていて、ワンテンポ遅れてうっすらとメロディーが追っかけてくるところとか。
1番のサビ、2番のAメロの"分けたら"というフレーズとBメロとサビ、Cメロ、落ちサビ後のラスサビがディレイが掛かっている部分です。
毎回のサビ終わりの"夜の公園"という部分にディレイが掛かっていないのは、サビのラストフレーズが終わってもう一度そのフレーズが繰り返されることの蛇足感というか、邪魔だからかなと思うのですが、2番のAメロの"分けたら"にディレイを掛けたのがなんでなんだろう。
ギターに関しても、1番のAメロは割りとさっぱりとした感じかと思ったら部分的にディレイで味付けをしたり。
他にもサビや2番のAメロのフレーズなんかは個性が出ている感じがします。(このAメロのギターのフレーズが好きです)
そして落ちサビの部分。これは人によってはもっとアルペジオで音を鳴らすこともあるだろうなって部分ですが、シンプルなアレンジですよね。でもそれが詩の主人公の寂しさとリンクしているようで、曲がより伝わってくる気がします。
あとこの曲に関して単純に好きな点としてはコード進行です。
Aメロのコード進行なんか特に好きですが、イントロからAメロの頭のコードに入る際に一旦別のコードに寄り道するのが好きです。別に寄り道せずにイントロの最後のコードをもう一度鳴らしても繋がらない訳ではないですが、寄り道することで音の跳躍が段階的になるからか、スムーズに繋がります。
その流れがめちゃくちゃ好きです。
津野米咲の歌詞表現に上手いと感じた曲は他にもあって、モーニング娘。'16の「泡沫サタデーナイト!」や赤い公園の「セミロング」等がそうです。
僕は赤い公園の曲で聴いたことがない曲が多いにわかファンですので、また気になる曲があれば記事にするかもしれません。
ブログに書こうと思って忘れていましたが、つんく♂さんが「凡人が天才に勝つには好きを分析することが大事」とnoteに綴っていたので、このブログは間違っていないんだと思いました。
ということで、これからもたくさん書いていきたいと思います。